後藤英さんの本「Emprise」に少し関わりました

 フランス在住の音楽家・メディアアーティストである後藤英(Suguru Goto)さんが、3月にコンピュータ音楽やメディアアートに関する本「Emprise」(エンプリズ)を出しました。平#はこの本の技術的側面を中心に校正を担当させて頂きました。後藤さんとは、2000年前後、DSPサマースクール()という音楽・音響処理や作品制作に関するワークショップで講師の一人として来日されていた時からのお付き合いです(当時、平#はDSPSSの一参加者で、大変お世話になりました)。今回、こういう形で後藤さんのアーティスト活動に協力できて、とても光栄に思っています。
 さて、この本は、元々は後藤さんがサウンド&レコーディングマガジンに連載されていた記事をまとめ、大幅に書き加えたものでして、現代音楽から電子音楽、コンピュータ音楽、メディアアートへと発展していく作品・楽器などの時代の流れを後藤さんご自身の体験と共に書いてあります。また、サウンド合成やサウンドエフェクト、MIDI処理などを含めた作品制作で利用する理論から実践的な処理・技術まで、MaxCsoundなどのプログラム例と共に載っています。430ページもある分厚い本ですが、最初から最後まで中身の濃い1冊になっています。歴史書としても、技術書としても、サウンドや音楽、音に関するメディアアート作品に興味ある方には是非とも読んで頂きたい本です。

 それから、2016年3月後半は、後藤さんがCD「CsO」発売の日本ツアーを行っていて、あちこちでライブ・パフォーマンスや作品に関するワークショップを開いていました。3月28日(月)は、京都メトロでライブ・パフォーマンスがあったので、平#はそれを観に行ってきました。久々に後藤さんと会えて嬉しかったと共に、空間として鳴るサウンドを大音響で聴いて、各曲の映像を見て(ビジュアルはそれぞれ別のアーティストが制作・ライブ演奏)、とても興味がそそられる、満足した夜でした。なお、その後藤さんのツアーに同行していた方が、以前に某ミュージシャンのトリビュートライブなどでご一緒したギタリストだったことには驚きと共に世間の狭さを感じた次第です。

※ DSPサマースクール
 2000年前後に、IAMASの方々が中心に開催されていた、音楽・音響処理の技術と作品制作に関するワークショップです。1999年以前はMSPサマースクールと呼ばれてました(当初はMax/MSPに関する話が中心でしたので)。当時の参加者とは今でも付き合いのある方々は多く、しかも今は第一線でサウンド制作や作品制作に関わって活躍している方が多数いるという、今考えるとオソロシイ集まり(合宿)でした。講師の皆さん(後藤さん含む)も、それぞれ今はもっと凄くなっている方ばかりです。いやー、みんなスゴイなー。

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